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2025年3月

2025年3月27日 (木)

伝道師、現る

前回からの続き、東海市でのガラ・コンサートでもハンマーを1曲演奏(アンヴィル・コーラスという曲で、名鉄の線路を使用していたのにMCでも触れられず涙・・)した翌週は3月定期でした。

 

Gl7de0yauaa1e2y ガーシュウィンとバーンスタインのアメリカン・プログラムで「弾き振り」を行うイギリス人の指揮(とピアノ)で。指揮者の名前が発表された時から、「あ、あのベルリンフィルを指揮してた人だ」という印象。そのワルトビューネ・コンサート(僕は過去にBS放送を録画、なんと今ではネットでは著作権の関係で視聴できないという・・)は、凄い回で、天才打楽器奏者グルビンガーが同名のお父さん(作曲家)が編曲した

Gl7de0fayaazya8 コチラを演奏した回。この曲目がインパクト強すぎて、ガーシュウィン弾き振りの方は長らく観てませんでした(^^;)

 今回の来日はソロの演奏会1つ(彼の本職はオルガン奏者)と、広島交響楽団と名フィルだったそうで。広響さんとは1週違いで半分同じプログラムだった為、便利?な世の中、事前情報が入ってきており、「めちゃくちゃテンポ速いらしい」「youtubeの演奏と・・」等。今回、客演してくれたドラム奏者の山田氏は宝塚→広島まで聴きに行ってくれて、終演後興奮気味に更に色んな情報を教えてくれて、予習はバッチリ(笑)

 そんな中、始まったリハーサル(定期は通常3日間リハ)、事前情報なかった人達にはアングリするようなテンポのところが多々ある中(業界で有名なポギベス、こんなに速いとシロフォン弾けないよ!と怒る人も出てきそうな速さ)、話すテンポもめちゃくちゃ速く、曲がどんどん進んで、は戻り、進んでは、戻る。ところどころ「Mr. Timpani !!」と指示が飛んでくるし、ボーっとしてると始まる場所を聴き逃しそうで気が抜けず・・時間目一杯までのリハが終わって、(出番は多くないのに)疲労はそこそこ。2日目もほぼ同じペース、段々こちらも慣れてくる、が、彼は妥協がなく、テンポが違うと、何度でもやり直し。「弾き振り」ということは、ピアノの音が出ている間は、頭を振る程度しか合図を出せない(僕は2本しか手がないから!と頻りに言っていた)ので、目まぐるしく変わるテンポを、楽員側でイニシアチブをとってアンサンブルしないといけない箇所が多々。「弾き振りじゃなかったら、問題少ないのになあ」とコンマスもボソッと言う始末。この日も、まあまあ遅くまでリハはやるものの、まだ弾き振りのガーシュウィン2曲は全然ソロパートと合わせず。

481660871_1335121857559745_8753722687130 リハ後には隣のホールでこちらの打ち合わせ。

 

482227757_1487964655981083_3214321151418 そして3日目のリハ、最初から順番にランスルーしていくが、「あれ?昨日までよりテンポが遅くない?」僕の体感では前日までより3-5ほどテンポ設定が遅いところが多く、それまでシャカリキで演奏していたところに余裕が出てきて、音楽の解像度が上がった感覚。昨日まで散々練習したテンポの切り替えの箇所も、繰り返しやったことで身体が覚えているので、かなりスムーズに。彼はケルンのオケでもポストを持っていたり、世界中のオーケストラでこの曲を演奏していることから、「限られたリハ時間で、最短で自分のやりたいことを伝えるには」の方法を熟知しているんだなあと、感心しました。テンポから音程から、完全にイメージがあり(僕はしっかり音程で捕まってスミマセン)それを実現するためのパワーに圧倒されました。「オケが予想以上に上手くいってるから、今日はこれでおしまい!」と、またこちらが拍子抜けする位、早々に終わり、お陰でこちらは余裕をもって夜の準備が出来ました。

 恒例となっている、高校の定期演奏会も、今年は恒例ではないことが起こり。講師陣は普段1曲だけの参加が、今年は追悼演奏含め2曲。

484307768_8968662979905479_6809592367486 命の尊さを身を以て教えてくれている友人と。

486426664_18265981057281538_431546622146 彼の教え子が頑張ってくれました。

 

482985083_1490863095691239_2512357579936 迎えた定期初日、芸文コンサートホールのオルガンに指揮者は興奮してたとか(最初、アンコールはオルガンで!と言ってたらしい、稼働するのに結構なお金もかかりますから!)

結局GPでも弾き振りの曲のad lib部分は全然通さず、本番のお楽しみに…

 初日にはなかったアンコールが2日目にはあり(創作、だけど10分弱あり、普通に本編かと思える大曲でした 笑)あんなに自在に楽器を、音楽を操れたら、さぞ楽しいだろうなあと思う瞬間でした。藤井聡太氏と同じ感じ、脳の作りが違う、宇宙人・・・

Image2_20250327212601 ジョエルのシロフォンも素晴らしく(有名なフレーズ、じゃない方の編曲にしかないフレーズが本当にややこしいのに、見事にこなしていた)山田氏も指揮者の要望に応えて暴れまくってくれました(それ以外のシビアなところが、絶妙。彼に任せて良かった)

Image1_20250327212601 思わず、楽屋に突入してサインと写真を。また是非来てほしい指揮者の一人です。次は何を披露してくれるんだろう、年間テーマの「喜怒哀楽」とびきりの「喜」で定期の年度末閉幕。

 

そして、本来なら翌日から帰省予定だったのですが、家庭内で風邪が流行、なくなく断念・・してたら、日曜になんと、僕は(風邪&)ギックリ腰に!ひええーこのタイミングで(しかし運良く演奏業務は月末までお休み・・)一応、整体に行き、騙し騙しの生活を続け

Image0_20250327212601 そんな中でも、ちょうど20時間滞在で、福井県に行ってきました。ホールには1年ぶり、仕事としては初めてのアンサンブルコンテスト全国大会の審査。朝の9時開始(8時集合)、終了は19時という、、そうほぼ寝てる時間以外はひたすら審査だけして帰る(こ、腰が)滞在。。福井って名古屋から近いんですよね。。詳細は依頼があったので、こちらに寄稿予定ですが、特に中学生、凄かったです。少子化、部活の時間縮小と色々あっても、やる人達はしっかりやってるってことで。。

Image3_20250327212801帰ってきてから、週末は豊橋と名古屋にてスティックコントロールレッスン。春休みなので、人が集まりやすいかと思いつつ、実はあまり集まりが良くない時期だそうで・・難しいですね。。それでも来てくれた方に時間いっぱいで出来る限りの情報を。

Gnbg96jayaa4ywr 今年度、最後の公演Rhが始まっています。シベリウスの交響曲1番、大太鼓しかやったことがなく(50周年の2016年、そんな前か)その時も「ティンパニ大変そうだなー」と思ってましたが、聴くとやるでは、何倍も違いますね・・勉強になります。前半も面白い、ぜひ会場で!

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2025年3月 9日 (日)

ハンマーづく日々

名フィルでは10年以上演奏していなかったマーラーの交響曲6番「悲劇的」

今回の演奏会のサブタイトル?は「悲劇のハンマー」

480907780_1473379697439579_4830696327599 オーケストラの演奏でハンマー!?(の打撃に照準を合わせる為、必死に見過ぎている様)ということですが、マーラーが用いた後にベルクが曲中に使用した事がある(ベルリンフィルの来日公演で取り上げられた曲)以外、主だった作品では使用されていない模様。それだけ特殊なことですが、ここまで大々的に取り上げると、SNSでもこうなる始末。その甲斐あってか、東京公演&定期2日目は完売。初日も当日券が押し寄せたそうで、かなりの客入りの3公演でした。

 

Gkqyabswiaat7oz ステマネ氏が早くから試行錯誤していたセッティング、何故なら東京公演(東京オペラシティコンサートホール)がシューボックス型と言われるホールで、ハンマー台が舞台のどちらかに寄ってしまった場合、そちらサイドの上の階のお客さんからは見切れてしまう(身を乗り出す危険も)恐れがあった為、全員に見てもらえる位置(打楽器の真上のP席からは難しいけど・・)ということで、

480821265_1476397510471131_8589522350786世にも珍しいハンマーが舞台の正面(^^;)しかもオペラシティの舞台が編成に対して狭い為、管弦打ハープチェレスタと、全員かなり省スペース、ギリギリの状態。ジョエルのティンパニがドイツ並びだったら入りきらなかった模様・・というほどでしたが、敏腕スタッフ達のおかげで万事問題なく。

 

480691290_1473379530772929_8621261938967初日のアンダンテ楽章こそ、感極まってしまいそうになりながら演奏しましたが、それ以外は、まあなんとか(曲が曲だけにそれどころではなく)終わり、翌朝は頭部MRIを受けてから、

Gkx4anlxsaadrlt 開演前にこちら(完売御礼大入袋)をもらって終了。

 

Image8_20250309144001会社業務の間に、小さめのハンマーを振りかざして、三重の尾鷲に日曜は向かい、

Image7_20250309144101 月曜はベートーヴェン(と後から急遽加わったラヴェルの方が楽器も大変!)と瀬戸で向き合ってからの東京公演。

Gknsdqabkaib5o2 聴きにいらしてくれた方(まあ彼女は後輩ですが)からもこんな反応を頂いた公演、見守っていてくれたことでしょう(どこでもすっと行けるのかなー、それは向こうに行ってからの楽しみだな)終演後には温かな出待ちをしてくださったお客様と何言か謝辞を述べ、

Image6_20250309144301 ホールの状態をよく知っている優秀な後輩と一杯だけ乾杯をして、翌朝はMRIの診断結果を聴きに。

 幸いなことに、何の異常もなく(ずっと続いていた偏頭痛は原因不明、今はマシ)ホッとしたまま教え子のホールGPに付き合った後は知多の旅館で大学生オケレッスン(練習合宿という文化が復活していることに、喜びを感じます。そういう環境で育まれるものは、確かにあるはずなので)後に、急いで戻って、なんとか本番も拝聴(自身の本番日よりもタイトなスケジュール・・)

Img_0707 1800人入るコンサートホールでソロが出来るなんて、なんと役得でしょうか、おめでとう。

 

Img_7164 翌日からは、とてもとてもお久しぶりの彦根のオーケストラへ。フリーの頃にお世話になっていた先輩方に久々に再会(&普段の同僚や、名音大での先輩や学生も)

Image0_20250309144601 あの演奏会の時は仙台→東京→彦根とその日に移動して、こんな感じだったなあ等、ノスタルジーを感じながらのメンデルスゾーン・プログラムでした(こちらも完売公演!)

Image3_20250309151201 Img_0735翌日は、名音大恒例の打楽器アンサンブル「打・カーポ」今年は指導のみでしたが、ゲストがなんと昨日までお隣で演奏してた上田先生(しかもこの後オペラシティでアンサンブルの演奏会も待っていたというタフガイ)今回の曲は全くクラシックではないノリのいい曲でしたが、どちらも流石でした。

Gk_0p8exwaa9w78 そして、この演奏会でも、まさかのハンマー!解説にはわざわざこのような記載まで。

Image4_20250309144801 オケで使うよりは多少小ぶりでしたが、それでもしっかり存在感があって(本番は、タイミングが合い過ぎて、あんまり判らない人もいたかも説)個人的には

なぜこんなにハンマーが身近に居続けるのか、よもや鉄槌をくだされる日も近いのか・・

という数週間。

 

 怒涛の数日が過ぎ去り、今週はスローペース。先日は大学の卒業式へ。

Image2_20250309145001 めでたく、卒業できた生徒達と。ここで何を得て、どう還元していってくれるのか。期待しています。

 

Image1_20250309145001 ラストのラストは今日も、アンヴィル・コーラスなるものでハンマーで金床を打っているという・・来週は定期、ガーシュウィンプログラム。

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