« 2021年3月 | トップページ | 2021年5月 »

2021年4月

2021年4月27日 (火)

数々の思い出と共に(長文)

Img_0444 18日は大阪フェスティバルホールまで、都響を聴きに。

安藤さんが、ティンパニ協奏曲をされるのは暫く前に知っていたものの、早くから出ていた20日の東京文化の公演は、名フィルのリハと重なりアウト。「リハにでも潜り込ませてもらえないかな(でもこんなご時世無理よね)」と思っていたら、ひょんなことで、お電話した際「日曜に大阪公演あるよー(名古屋公演ではやらないけど)」と教えてもらって、それならば!と2重マスクで向かいました。

フェスティバルホールにお仕事で連れてきてもらったのも都響(リニューアル前の最後?の公演、アイーダのバンダ。打ち上げで「551の!ある時―、ない時―」をやったのが懐かしい。。)会場に着くと、入り口でN響のKさんを発見。飛行機でいらっしゃったそうで・・別々で席は取ったものの、考えることは皆大体同じ、お互い3階席の最前列へ(隣の席も打楽器奏者でした(笑))

Img_0408 オケ中セッティングだとは聞いていたものの、綺麗に縦にティンパニが並ぶ(同時には出てきません)という、なかなか珍しい風景。

昨年、僕も演奏予定だった(コロナの野郎)バルトークを都響がサントリーホールで演奏された際は、他の曲で、一昨年グラスをN響植松さん&久保さんが演奏された際は、その後ろで演奏していたし(※)で、こういう協奏曲を客席で聴くのは菅原先生がテーリヘンを演奏された際以来かも。作曲者のAho(ちゃいまんねん、パーでんねん。古)といえば、数年前にブラビンズで、トロンボーン協奏曲を取り上げましたが、協奏曲の内容より、ポストリュードとしてソリストのライエンが、ディレイをかけて一人で重奏していた思い出しか残っていない(Kさんは交響曲9番を演奏した際、ティンパニが超大変だった思い出があるとのこと)

直前まで楽器調整されてるなあと思っていたら、そのままオケのメンバーがぞろぞろ入ってきて(都響はアメリカンスタイルでメンバーは揃って入場せず)チューニングが始まってしまい、暫くしたら指揮者入場、既に舞台にいた安藤さんが、ひょっこりお辞儀する、というフレンドリー?スタイルで曲がスタート。

最近、ある雑誌にコンサートレポを頼まれた為、内容はカッツアイ(特に変わったこと書いてませんが・・・)勉強になりました。打楽器後方陣にはレギュラーメンバ―+松下さん+その時には判らなかったけど、なんと広島から小川さんがいらしていたそうで・・「ジャンベの若者は、誰?」と思っていたら、ヒロさん、若々しい。

指揮の大野さんは、ザグレブ・フィルとの打楽器協奏曲CDもあったので(今では廃盤。しかも4つのインベンションのピアノを弾かれている、凄)、打楽器お好きなんだろうなあ、という見応え&聴き応えでした。終わったら勿論拍手喝采&休憩中のロビーでは密にならない程度に、打楽器奏者が集まって近況報告するという、マスク以外はこれまでと変わらぬ風景。

後半の巨人。流石のマーラーオケとして名高い都響だけあって、皆さん凄かったですが、個人的なハイライトは1楽章での小林さんのシンバル。ビックリするくらい輝かしくて(しかし本人に気負いの表情もなく)呆気にとられたなあ。4楽章で出てくる2nd timpaniの的確なG(←奏者はさっきまでソリストだった人)にも参りました。

楽屋口はいい感じに風がひゅーひゅー吹いているところで、出待ちしてても換気の心配がなく(寒かったくらい 笑)最後に出てこられた安藤さん家族に一言だけご挨拶して、解散。ちゃんと551に寄って帰宅。

 

そして一夜明けたら、こちらの定期リハ。前半はモーツァルトのVn協で、打楽器無しでしたが(※の演奏会の時は、メインがこの交響曲だったんですよね、そしてその時もソリストだった植松さんが、ショスタコーヴィチのティンパニも演奏したという・・・諸先輩方の気力体力見習わねば)後半は、かなり大変。

 Img_0443 前回も少し書きましたが、この曲の初体験は色んな思い出深いPMF2004(blogのアルバム参照)ですが、その数か月後に新日本フィルat都民フェスで初めてお客として体験し(ミッキー=井上指揮)その後もサントリーで1回目のインバル都響(その数年後の2回目は聴けず)も聴いて、打ち上げで安藤さんと「競楽コンクール」の話をした記憶あり。。その後暫くして、N響サントリー(デュトワ12月)でラストの鐘だけ要員で2回目演奏、そして※の演奏会でもミッキー指揮で3回目、2度目の鐘だけ要員(^^; なので、今回は通算4回目で2度目のティンパニパートでした(ややこしい)

 名フィルも定期やミッキーの日比谷演奏会を含め取り上げるのは4回目だそうだけど、全部の演奏に出ていた団員は、楽員の1割以下だったのでは。。という程度に入れ替わっている年月。前回が2007年(クライツベルク指揮、その前週に読響のマラ5公演は菅原先生の引退公演で聴いてました)だそうで。今回の客演指揮者の方は、21世紀初頭に常任ポストに就いていたとのことですが、当時の団員だった人が奏者の4割以下だった模様。時代は移るのです。そんな事言ってたらあっという間に50代が来そうですが・・・

休憩中に楽員室で「前にゲルギエフでこの曲演奏して・・」と言うと「えーこんな大変な曲なのに指揮分かり辛くて崩壊しそう・・」と言われたけど、とんでもない。その時は前のプログラムで振っていた某台湾人の指揮者の方がよっぽどオケがグチャグチャで、ゲルギエフが振った途端にオケは難曲でもピッタリ。傍からみてるバトンテクニックだけではないんだな(奏者のモチベーションも大きいけど( ´∀` ))、と体感した瞬間でした。と同時にこの曲での演奏が、僕の人生も進めてくれたので。

 高みにいる指揮者に、触れられる機会・・・最近まで都内で某イタリア人の指揮で演奏していた人たちを羨望しつつも、与えられたチャンスをこなしていたり、善意を積み重ねていれば(先日、分厚い革製の財布を拾い、遠かった警察まで届けたら、事務作業を終える20分後に持ち主が探しに来たこともあったなあ)いつかまた来ることを信じて。。

 

Img_1951   昨年から時間があったので、ショスタコーヴィチ関連の本も読んだり、今回はたまたま「映像の世紀」がやっていたので録画して、1905年に関する情報も目にしたりしましたが(真贋いろいろある)、まあなにより曲が凄惨さを語っています。どのパートも大変ですが、なかでも1stトランペットと小太鼓は特に。2人に脱帽でしたが、ユズル君は、デュトワの時に一緒に乗ってて1アシ(というかかなり大半)を吹いていたとの事。ジョエルは演奏自体は初だったらしいけど、2楽章の一斉射撃の後のppロールが絶妙でした。大きいだけはちょっと練習すれば誰でも出来るから、あそこのシビアが出来るかどうかが分かれ目。後ろと隣で演奏していて、本当―――に誇らしかった。他のパートの皆さんも初日から傷なしの演奏(プロだから当たり前と言われればそれまでですが、、この曲は大変な箇所が本当一杯あって、ベルリンフィルでも普通にミスしたままの動画あがってます。それくらいトラップが多数ある曲)、稀にみる集中力の高さで、お客さんにも伝染したのか、拍手が起こるまでの静寂が凄かった。こんな状況下でも、いらしてくださるお客様&演奏会が開けた現状に感謝。

 次回の出番は、またコロナで一つ飛びましたけど。慣れずにやるせない気持ちは持っていたい!

| | | コメント (0)

2021年4月16日 (金)

シン年度

Img_18683253 始まりました。この写真は3月に上野で撮ってきたものですが・・・

 ブログのタイトルが被りがちなので、過去の投稿を見返すのですが(^^;)

 昨年は始まった感がないままに4月は自粛していたなあと(それでも、やはり1年以上引きずるとは思いもしていなかったし、ということはこれから先も楽観視できないということ)1年は早かったですが、過ぎ行く中でそれなりに、もがいていた実感もあり。今年度もその志は変わらずに。

 非常勤で勤めている大学は私学のためか、動き出しが早く、一週目に入学式、5日以降はレッスンも開始!ということで、既に2回レッスン終えた学生も多数。なんでもコロナ禍以前と比べてしまいますが、アンサンブルのレッスンなども含めて、段々方式が確立されてきたかな・・・感染者の波もあるので、油断禁物ですが。

 

 演奏会は2週目に既に市民会館シリーズの初回を終えました。今年は実は名フィル創立55周年!!という、記念イヤーなのですが・・・本来はヨーロッパ公演の話もあったのに、遠のいています(TT)しかし中止にはなっていないので、望みを託しつつ。これが50周年の4月、振り返ると、確かに5年も経った実感はある(笑)

 市民会館シリーズは「名曲小品特集」、これも実は50周年で小泉監督でやっていたんですよね。「曲目も春らしくて良かった」との声も。昨年、音大のオケでも取り上げていた曲ということもあってか、学生もちらほら聴きに来てくれました。百聞は~だからな~日々勉強してください。

 

そして・・・定期はコチラの曲。この後も何度か実演も聞き(新日本フィルが都民フェスティバルで井上ミッキー指揮で演奏してたり、都響のインバル初回も大学院の時に聴いたなあ)演奏させて頂く機会もありましたが(2回とも鐘!)ティンパニの席に戻ってくるのは17年ぶり。

 少しは成長してますように。

| | | コメント (0)

2021年4月 1日 (木)

青春の輝き

年度末の3月。今年は、色々ありました(3月中に振り返れず、エイプリルフールも終わってしまう)

 3月定期(大曲2曲)は、今期最高人数のお客様と共に。東京公演に向けた気合いも充分で、臨みました。2日目終演後に、都内へ移動。1年以上ぶりの北上。

Img_18033209 サントリーホール、本当に久々。名古屋の芸文コンサートホールが好きな方は内外に大勢いらっしゃいますが(ぼく個人的には、奏者としても聴衆としても、「そつなく綺麗に聴こえてしまう」印象)、やはり、入れ替わり立ち替わり世界のオーケストラが毎日演奏していた(今は外国勢が来れないけど)、シビアさを併せ持った、このホールで演奏できるのは格別。課題が沢山でしたよ、ええ。

Img_18043216 バックステージに、改修後からこの大きなパネルがあり、今回は作成者のそっくりさんに写真に入ってもらいました(笑)

 

Img_18173188 その後、名古屋に戻り高校の定期演奏会にゲスト出演した後(Mahlerの交響曲2番「復活」より抜粋演奏。コロナ禍以降では世界初ではなかろうか。後日、新聞にも掲載されるそうです)今度は、都内に5泊。小澤塾記念演奏会にOBとして声をかけてもらいました。

Img_18133217 本当に不出来な塾生(中国公演が有った為、そちらのパンフレットより)でしたが、僕の行かせてもらった年(2005)に参加していたOBもチラホラ、そして指揮は宮本文昭さん。本当に凄い気迫だった、という陳腐な感想しかいえない位、生き様を表した指揮でした。現役の塾生も勿論ですが、コーチ・OBOGも、一期一会の瞬間に、「命を懸けた」演奏会となったかと(あんなに長いカーテンコール、人生初だったかも)こちらのインタビューが、身に沁みます。いいとか、悪いとかではなくて、既存のオケが既存の路線に向かっていってしまう空気というのは確かに存在する、というのが分かった、この10年。もがく人も多いし、だから飛び立つ人がいるのも理解できます(僕?はまだまだ達観できそうにない)

Img_18633210思い返せば2005年、深町さんにお声がけ頂き、今回の会場だった東京文化会館にて、「エレクトラ」の練習トラ(GPからは左に映っている故E. Firth氏が来るまでのローテーションで)をさせてもらったところが、今回のご縁の始まりで。

Img_18823218_20210402013201 その時にサインしてもらったマレット(大事に使わないでおこうとしたら、「使って!」と言われて使ってます)で、エグモントの最初の音は演奏。彼のSKOでの演奏はコチラ

 滞在5泊中4泊は緊急事態宣言下だったので、ご飯を食べるところが20時には閉店、リハーサルが毎日16-20時だったので(フルに行わない日もありましたが)3日間はお弁当を持ち帰り、ホテルで食べる日々。。毎朝、朝食に豊洲市場から新鮮マグロが届くプランだったので、朝をしっかり!の健康生活(^^; 

Img_18323195 こんな状況だったので、大勢で面会というわけには行きませんでしたが、大学も外面だけ見てImg_18243190_20210402012101

Img_18763203 先輩(今月の「アホ」、楽しみです)後輩、何人かとご飯やお話ができ、刺激をもらいました。

Img_18513198 上野駅前(判りますか?ワイドで撮った為、怖い写真になっちゃってる)もすっかり綺麗になっちゃって・・

 

Img_18913204 帰ってきたら、また今度は別の学校の定期演奏会にソリストとして呼んで頂き、一昨年も演奏させて頂いたこちらの曲を、演奏させて頂きました。去年はコロナの為に、中止になってしまったという学校だったので、数曲は、その時に出られなかった3年生も加わっての、感動的なステージ。アンコールまで図々しく参加させてもらっちゃって、10代の若さをお裾分けしてもらえた・・かな。もうそろそろ、下手すれば親世代ですからね・・

 

月末は無事に開催されたコンテストの審査。これまでずっと録画審査だった今年度、最後の大会だけは、通常開催となりました。やはり、飛沫を懸念した影響なのか、打楽器アンサンブルの団体数が異様に多い!中高合わせて、99団体中36組!恐らく歴代最多でしょう。嬉しい反面、苦笑いの審査員も()しかし、総じてレベルは高かったと思いました。特に高校の打楽器(北陸勢)は、かなり完成された演奏が多くビックリ。「魅せ方」まで研究している、というか(好みは分かれるでしょうけど)

他の審査員の先生方より、僕は疲労感が少なかったようです(^^;色んな学校があり、最後はなんとも言えない感情になってましたが、総じて充実感あり感謝。

 

 

・・・という、3月は塾もあり、若人に感化された月間でした。「青春の輝き」と訳された曲もありますが、、この曲も、この曲も、実際に僕が生きていた世代よりは前の曲なのに、何故か「青春の1ページ」の感覚を引きずり出されてしまい、ホテルで洋楽三昧だった春の夜長。

そういえば、四半世紀ぶりにラストを迎えたエヴァも観に行きました。中学時代はハマってなかったけど、今、再放送も観てるという・・・

 

ニュースを見てたら、甲子園も決勝でしたか。明豊、惜しかった!4月以降の話は、また改めて。

| | | コメント (0)

« 2021年3月 | トップページ | 2021年5月 »