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2017年10月

2017年10月27日 (金)

Der Rosenkavalier

 定期演奏会の翌週には、刈谷でブルッフ&ブラ2→岡崎で皇帝&シェヘラザードという、名曲続きのプログラムを終えて(両方ティンパニで乗り番でした、名曲はやはり名曲であった・・)その翌週から、オペラ(と市民会館シリーズ)のリハ。

 僕が名フィル入団してから、6回目?程のオペラ(昨年の「魔笛」はお休みしてました)今回は、全3幕、休憩入れて4時間の大作「薔薇の騎士」。演奏会用の組曲の方は、かれこれ4,5回演奏していますが、オペラは初体験。指揮者はオーストリア人のワイケルト氏。

Nec_2637R.シュトラウスが幾つか書いているオペラ、他にも「サロメ」「エレクトラ」など・・実は、エレクトラ、本番は演奏してないけれど、携わったことが過去にありました。

P3100086今は亡き、V. Firth氏(ボストン響timpanist)と。僕が学部を出た春に、上野で「東京のオペラの森(現在は東京・春・音楽祭がメインの名前に)」が始まり、その初回のオペラがエレクトラでした。彼が1st timpaniだったのですが、練習に来れない期間があり、その間は本番のメンバーがパートを移動してリハに臨み、僕は練習のみの代打で大太鼓を担当させてもらったのでした。指揮は小澤氏。もう12年も前ね・・

公開G.Pの日が僕にとっての最終日。全幕の最後、少し間があってから、tutti(全員)でffで1発「バンっ」と終わるところを、オケピの穴ぐらの中から(東京文化会館のピットは奥が深く、打楽器は、その奥に押し込まれることもしばしば)エイッと演奏したら、

「・・大太鼓、速いよ!はい、お疲れさん」と言われて、練習(=僕にとっての最後の1音)が終了・・打ち上げに付き合ってくださった諸先輩方に労われたのが、忘れ難い思い出。。写真は、公演が始まってから、初めて伝説の人(先生の先生)に会いに向かった時の物です。

Vicfirth笑顔が、よく拝見していたポスターそのものでビックリでした。




 それ以来、念願の(笑)R. シュトラウスのオペラ。エレクトラの体験もあり、覚悟はしていましたが、なんせ絡みが複雑。パート譜だけ見て、把握などということは、ほぼ不可能・・フルスコアを頼りに、音源も聴きながら、なんとか予習して向かったつもりが、最初はオケのみのリハなので、歌手のガイド(等が楽譜に印刷してあるところも)は全く役に立たず・・遥か20m離れた向こう岸から微かに聞こえてくるホルンの音を頼りに(正確には時差もあるので予測して)演奏したり。。リハも、演奏会のリハや本番と交互だったことから、楽器もその都度出し入れ(スタッフが大変・・)、調子も安定せず(言い訳ですが!)

Nec_2645昨日から舞台入り、今日からダブルキャストの為、2日間G.Pをして、週末が、本番。芸文のコンサートホールの方が9月から閉館している為(今回は大ホール)、栄から暫く遠ざかっており、2ヶ月ぶりに来るだけで、新鮮(^^;)今回は、11月に大分公演もあり、そちらに向けても、まずは初日、無事に終われますよう。

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2017年10月22日 (日)

全国大会

※以下、特定の団体についての記載はありませんので、ご理解ください。

 

今年の、とある夏の日、(珍しく?)凹んでいた。職場の10月のスケジュールが出て、少し前まで、別のリハが入っていた週に、オペラのリハーサルが追加で入り込んでおり(指揮者の要望で増やされたとのこと、まあ仕方ない)そのオペラのリハさえ無ければ、1週間前後、ウィーン→アムステルダム辺りに行こうと思っていた(習っていたRCOの先生の定年引退公演が土曜日にあった為、出来れば向かいたかった)のに・・・

 

そんな気分の中、知らない「03-××・・」の番号から着信アリ(古っ)

奇妙に思いながら電話に出ると、「私、全日本吹奏楽連盟の・・・」と話をされるところから、今日の日は始まっていたのである。。

 

Nec_2642_2名古屋で(中学・高校の部の)吹奏楽の全国大会が定期的に開かれるようになって、6回目とのこと。それまでは、吹奏楽経験者にとっては聖地、「普門館」で行われていた。僕も、何を隠そう高2の秋、夜行列車に乗って、高校の仲間たちと、初めて「吹奏楽の甲子園」へと向かった。

・・旅に慣れてない未熟者は、何を隠そう(2回目)途中で睡魔に襲われて、ほとんどの記憶が定かではない。が、その中でもA知県のA城学園高校の自由曲「青銅の騎士」が素晴らしかったのは、微かに覚えている。結果、次の年の自由曲にその曲を演奏しました(僕らは県大会止まりでしたがね・・)そんな大会に携わる日が来るとは・・要するに全国大会を聴くのは、今回が人生2度目。

 

Nec_2639恐らく、この週末(明日が、高校の部)この駅(と、西高蔵駅)が、1年で1番賑やかと思われます(^^;)

 

支部大会までは3人~7人ほどの審査員が、全国では9名!初めましての方もいましたが、僕の隣は、大学で1つ上だった貝沼さん、その向こうには神奈川フィル時代からお世話になった(今は芸大非常勤講師の)大橋さんと、懐かしい方々も。

本部から諸注意があり(昨今のSNSの事情も踏まえて、冒頭※のような記載はお控えくださいとのことでした)朝9時から、午前の部、開始!1度の休憩のみで15団体!午後は、お客さんも総入れ替えで、もう1度、15団体!終わったのが、18時半!審査方法はプログラムにも記載があり、シンプル。決選投票も、ありません。

 

中学生なので、課題曲は4曲のみ。全国各地から、度重なるコンクールを進んできた精鋭校のⅠ~Ⅳを聴く事ができ、更に、今年は、高校の部の県大会も(同じホールで)審査していた環境から、色んなことを考えつつ聴くことが出来ました。以下、備忘録。

 

 今年もまた(去年の県大会でも感じたけど)本当に中学生??と思うような演奏に出逢う瞬間が何度もありました。自らチケットをgetして、来場していた(本当に吹奏楽好きなんだなあ)名フィルKS二先輩も驚嘆していました。それは単に技術的な話だけではなく、音の出始める時、要するにその前の準備からの音楽の流れが、熟練しているというか、あまりにも「自然」というか。一朝一夕では成し得ない努力があるのだろうと思います。結果として金賞~銅賞がついていますが、これまでの弛まぬ努力こそが、明日への糧になりますよう・・こんなことばかりコメントしてきてしまった。。涙腺も緩んでね・・歳とったなー

 

 

 「自然」といえば、こんなことがありました。ある学校は、音楽の流れを感じるためでしょうか、いわゆる身体の「揺れ具合」も各パート、またはセクションまで、きっちり揃って、演奏していました。

その演奏を聴いて(視覚的な要素を考慮せず)僕は、特に「不自然な」流れを感じた訳ではありません。

が、とある学校は、そういう「揺れ具合」は、パートなどで一切揃っていませんでした。しかし、指揮の先生の所作に呼応している如く、各々が流れを感じて演奏していました。

 

 両方、聴いたときに初めて、「自然」ということがどういうことか、肌で感じられた気がしました。別に、先の団体が、良くなかったということではありませんでした。そうする試みによって、得られたものがあったから、行っているのでしょう。が、僕の感覚で「自然」に感じたのは、後者でした。

 

 

 あとは、打楽器的な見地から。「自然」繋がりでいくと、打楽器の余韻の減衰について。特に金属打楽器。

銅鑼、シンバル!もしかしたら少しトライアングルも?ですが、かなりの「個体差(使用年数、そして、ここだけの話、メーカー差)」があります。恐らく、皆さん、余韻(響き)の短さには、敏感に反応します(もうシンバルの余韻が短くなってきた、金属疲労でそろそろ買い替え時かな?等)が、「長過ぎる」ことに対しては無頓着なことが多いように感じます。

「>」という記号のように、いつでも「自然」に聴こえる減衰を、楽器のみに求めることは、難しいです。音を出した後に、銅鑼だったら、逆の手で、騙し騙し楽器を触って止めたり、シンバルだったら、鳴らした後に、服の裾を上手く利用したり・・・

 

勿論、インパクトの瞬間に、余韻まで考えた「当て方」というのが一番大事ですが。その箇所に相応しい、余韻の減衰まで、コントロールしたい。管楽器の人が、音の切り口(切り方)を考えているように。

 

それと!未だに、マーチでの「大太鼓」と「シンバル」についての音量バランスや、間合いなど「いい関係性」を感じられていない学校が、そこそこな数ありました(流石に、大太鼓と、シンバルが、離れ離れの場所でやっている、という学校はゼロでした、それだけでも凄い、のか・・)お互い、横ばかりを窺う必要はないのですが、

「♪ I have a  'ドーーン(B.D'

I have a 'シャーーン(Cym'

・・・

ン゛ッ

「ジャーーン♪」

に、ならないかなー(無論、自身が中学生だった頃はそんな感覚は皆無でしたが)自由曲の場面等には上手く出来ているにも関わらず。ドラムセットの演奏の機会は減ってる?ドラムに慣れ親しんでいれば、フットドラム(B.D)と、クラッシュシンバルを同時に鳴らした時の、あの「絶妙なバランス」が判り易いと、個人的には思っていますがetc..もう少しありますが、専門誌から依頼が来ましたので(^^;)残りはそちらに。

Nec_2641今年は、例年以上にこのスコアを拝見する年になりました。

明日は台風が迫る中、高校の部が、来週には遠く岡山で、大学生以上の部が。1年の集大成の熱演を期待して。

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2017年10月10日 (火)

忘れてた・・・

 最近は、ちゃんと定期演奏会の前には少なくとも更新するようにしてたんですが・・今回はバタバタしており、出来ず(> <) ということで、長文ですm(_ _)m

 先月末、文化庁公演を全公演を終えて(スタッフと共に、ボディパーカッションやりきったー、文化庁公演皆勤賞!何も出ないけど(笑))

Nec_2585都内で買い出しや(来る度に散財している気が)




Nec_2582散髪やら(本物は見てません)してから、週末は上田へ。

 







Dkzwmxbu8aedhxo松奏会、という名の母校の吹奏楽OBOG会が出来たのが、数年前。僕は発足記念の現役との合同演奏に参加して以来、久々の参加でした。歴代の顧問の先生方の指揮の元、10代~70代まで参加の吹奏楽。現役生のステージもあり、共演させてもらいました。後輩に無理言って、編曲もしてもらい・・感謝!

 

 何故か、吹奏楽をきっかけにプロの道に進んだ学生が多い(普通科の)高校でして、今回は僕以外のプロ奏者として

22221638_936559599817998_84863837_2百瀬会長(指揮+アンコールのS.D)と

22221638_936559296484695_6790285817松美さん(重鎮と大先輩を差し置いて、ソロは気がひける、いや、引き締まる、か)も御出演でした。


22221978_936556786484946_3367996274リハの日が、お誕生日だった方と・・え、似てる??

22140843_936559206484704_4609137729会場は、上田文化会館。なんと一回目の自主リサイタルをやった場所じゃあないですか。本当に10年ぶりに足を踏み入れました。
遠い昔の気がする・・

22154672_936559339818024_6400852072現役生の賛助出演にも大いに助けられて(1・2年生体制になった、いい時期の開催だったと思います)僅かな練習時間に対しては立派な演奏だったかと。
入場無料で、気軽に「吹奏楽を楽しむ会」じわじわと、参加者も来場者も、増えていけばいいなと思いました。当日中にどうしても名古屋に帰らねばならず、1次会の途中で、真っ赤な顔で退散・・

 

 そして、定期は大曲「カルミナ・ブラーナ」

Nec_2597学生時代から何回かやってきていますが、ジョエルも僕も初パート(しかし打楽器はセクション譜なので、全パート予習できるのです)。先月から会場が変わり、芸文とはかなり響きが異なります。楽器やマレット等の道具の選択幅があるが故、悩ましいところ。最善を尽くしたつもりでしたが、どうだったかなー・・指揮は当団音楽監督。いつもの暗譜体勢・・・本番になると、バリトンのソリストの演技が突如始まり、ビックリもしましたが、2日ともかなりのお客様の中(満席、とまではいかず)盛況の内に終了。監督は今週は兼務している九州交響楽団で、二週連続だそうです(^^;)

Dlijh47vaaarb6w昨日は、不定期(ほぼ定期?)で行っている、シライ・ミュージックでのセミナー。午前中は初めましての学生さん向け、午後は段々顔馴染み?になってきた、受講した事のある方達向けの2回。

 以前に、何かにも書きましたが、僕自身が、先生から出し惜しみをされずに教わった(と思っている)こともあり&サービス精神旺盛ということも重なり()、結構色んな情報を、問われればすぐにお答えするのですが、「あ、ふんふん、なるほどねーわかったわかったー」となっちゃう方が、いらっしゃるようで・・色んなエッセンスの積み重ねで、ここに至る、というか、その中でも限られた2時間で、大勢相手に伝えられる事というのは極僅か、大事なのは日頃からの意識と、身体の動かし方ですかね。豊橋滞在5時間半で、セミナー4時間強(笑)

Nec_2634試作品の短いスティックをお土産に頂きました♪まさに電子ドラムで重宝しそう、一般発売希望!親が急に持ってきたピーター・ラビットと共に・・

 

 今週は既にブラ2のリハ(名曲や)→週末はシェヘラザード。終えたら遂に「薔薇の騎士」と、正に芸術の秋シーズン到来です。

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